王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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本日は3回目の推敲。2度の推敲で判明していたことだが、ストーリー上で必要なエピソードがいくつか欠けており、かつCGや写真と台詞が合っていないシーンが散見される。誤字も4カ所ほど発見。まあ、原稿量が会話文のみで単行本2冊分、仮に描写文を加えれば4冊弱はあるから、どうしても執筆中に記憶違いが発生するし、誤字も避けられない。つまり、推敲を重ねることで修正をしていかなければならないのだが、問題は推敲の際に著者である私が自身の作品を「面白い」と感じるかどうかである。ここで自著を「詰まらない」と思った段階で作品として失敗であったと見なす他はない。幸いにして、これまでの推敲で「詰まらない」とは思えなかったので、ストーリー的にはそこそこ楽しめる内容になっていると思う。
で、推敲をしている最中に、知人からメールで「ヨーロッパにおける皇帝と王の違いとは?」という質問を受ける。ヨーロッパにおける皇帝は、ローマ帝国の(自称も含む)後継者で、ディオクレティアヌスがローマ帝国を東西に分割してからは、西ローマ帝国の後継者と東ローマ帝国の後継者が皇帝を名乗り、旧西ローマ帝国の版図ではカソリックの信仰がついて回ったという経緯がある。ところが、ややこしいことに東ローマ帝国を滅亡させたイスラム帝国のスルタンには、旧東ローマ帝国の領土を支配する名目で皇帝を名乗る権利(?)があり、また、ロシアのように旧東ローマ帝国の血縁関係を主張して、勝手に皇帝を名乗ってしまうケースもあった。
しかし、最悪なのはナポレオンで、1804年にフランスにおける国民投票によって皇帝を名乗る権利を獲得している。この段階で皇帝というブランドにケチが付いたのは間違いなく、ナポレオン没落以降は赤色革命でロマノフ王朝が断絶し、ヨーロッパに皇帝として君臨できる存在は消滅した(ヒトラーは総統だから、帝国のトップだが皇帝とは言えない)………という事情をかいつまんで説明してメールをすると、「面倒くさい」という返信が。
そりゃあ、面倒くさいでしょうよ。歴史には時系列的な一貫性はあっても、意味の一貫性はないんだから。意味の一貫性としてとらえようとすると、必然論や陰謀論がでてきて妄想世界史に移行してしまう。歴史学に詳しい知人が述べたことだが、「編年体で歴史を把握できない人間に歴史を語る資格はない。特に紀伝体・列伝体で歴史を把握しようとする試みは最悪である」は真実だろう。
馬鹿には個人史と歴史の区分が付かないから、しばしば自分史と歴史も混同する。この辺の事情は、いずれ『政治とイジメ』というタイトルでまとめてみるつもりではあるが、果たして時間があるかどうか……。
で、推敲をしている最中に、知人からメールで「ヨーロッパにおける皇帝と王の違いとは?」という質問を受ける。ヨーロッパにおける皇帝は、ローマ帝国の(自称も含む)後継者で、ディオクレティアヌスがローマ帝国を東西に分割してからは、西ローマ帝国の後継者と東ローマ帝国の後継者が皇帝を名乗り、旧西ローマ帝国の版図ではカソリックの信仰がついて回ったという経緯がある。ところが、ややこしいことに東ローマ帝国を滅亡させたイスラム帝国のスルタンには、旧東ローマ帝国の領土を支配する名目で皇帝を名乗る権利(?)があり、また、ロシアのように旧東ローマ帝国の血縁関係を主張して、勝手に皇帝を名乗ってしまうケースもあった。
しかし、最悪なのはナポレオンで、1804年にフランスにおける国民投票によって皇帝を名乗る権利を獲得している。この段階で皇帝というブランドにケチが付いたのは間違いなく、ナポレオン没落以降は赤色革命でロマノフ王朝が断絶し、ヨーロッパに皇帝として君臨できる存在は消滅した(ヒトラーは総統だから、帝国のトップだが皇帝とは言えない)………という事情をかいつまんで説明してメールをすると、「面倒くさい」という返信が。
そりゃあ、面倒くさいでしょうよ。歴史には時系列的な一貫性はあっても、意味の一貫性はないんだから。意味の一貫性としてとらえようとすると、必然論や陰謀論がでてきて妄想世界史に移行してしまう。歴史学に詳しい知人が述べたことだが、「編年体で歴史を把握できない人間に歴史を語る資格はない。特に紀伝体・列伝体で歴史を把握しようとする試みは最悪である」は真実だろう。
馬鹿には個人史と歴史の区分が付かないから、しばしば自分史と歴史も混同する。この辺の事情は、いずれ『政治とイジメ』というタイトルでまとめてみるつもりではあるが、果たして時間があるかどうか……。
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