王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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文章の善し悪しをジャッジする基準・完結編3
- ジャンル : 日記
- スレッドテーマ : ひとりごとのようなもの
時間が空いてしまいましたが、続きに行きましょう。B.社会的事実や歴史的事実に対するリアリティ というのは、歴史的事実を出来る限り改編せずに小説を書くことによってリアリティを維持する手法を指します。いわゆる、歴史小説がこれに当たるものです。たとえば織田信長を主人公とした小説を書こうとしたら、信長は1582年6月21日に本能寺の変で死ななければならない、というのが「歴史的事実に対するリアリティ」です。これが...
更新が遅れて申し訳ありません。 実はプライベートな件で大転換があったため、とてもネットどころではないという状況でした。というか、現在でもこの大転換は継続中で、11月になるまでは先行き不透明というのが実情です。 その間に民主党による組閣が進み、内閣の全容も明らかになったところで、いよいよ規制推進派も活動を再開したようです。具体的にはレイプレイ事件で悪名を馳せたイクォーリティ・ナウが、規制問題のキー...
文章の善し悪しをジャッジする基準・完結編2
- ジャンル : 日記
- スレッドテーマ : ひとりごとのようなもの
(3)のリアリティは、現実逃避型の娯楽に対する批判から主張されるケースが多く、A.心情描写のリアリティB.社会的事実や歴史的事実に対するリアリティC.科学、あるいは自然科学に基づいたリアリティ に大別されます。 A.の心情描写のリアリティは、日本の近代小説の理論的支柱となった、坪内逍遙の『小説神髄』(1885年)の頃から主張されているもので、これは主に江戸期の戯作批判、具体的には滝沢馬琴の『南総里...
文章の善し悪しをジャッジする基準・完結編1
- ジャンル : 日記
- スレッドテーマ : ひとりごとのようなもの
●基準4(編集者から見た文章のクオリティ) さあ、ここで初めて娯楽小説の内容に踏み込んだ上で、文章との関連性について考えていきましょう。 娯楽小説は大きく分けて、1)現実逃避2)教養補助3)リアリティ4)実学・啓蒙補助(うんちく系)5)反教養 という互いに矛盾する商業的な要素で構成されています。(1)の現実逃避は解説不要でしょう。要は「読んでいる間は現実を忘れさせてくれる」事を目的として書かれる文...