王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に対する意見の募集(パブリックコメント)について
政府では、これまで「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」(平成15年12月・犯罪対策閣僚会議決定)に基づき、5年を目途として、「世界一安全な国、日本」の復活を目指して一体となって総合的な犯罪対策を推進してまいりました。
その結果、平成14年まで7年連続で戦後最悪を記録し続けた刑法犯認知件数は、徐々に減少し、平成19年には200万件を切るまでに至りました。しかしながら、刑法犯認知件数自体は、昭和の安定期の約1.4倍近くであり、また、国民の治安に対する不安感は依然として高い状況です。
このような認識の下、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」策定から5年を経過するに当たり、一体となって総合的な犯罪対策を推進し、国民が安全で安心して生活することができる良好な治安を実現するため、この度内閣官房を中心に「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)を作成いたしました。つきましては、平成20年11月28日までの間、本案に対するご意見を募集いたします。
締め切り日が11月28日(金曜日)の午後5時と差し迫っているので、とりあえず告知をしておきます。規制問題で反対意見を表明したい方は、パブコメを書いて送って頂けると助かります。
ただし、意見書を書く前には必ず「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に目を通しておいて下さい。
一応要約しておくと、
1)防犯ボランティアと称して警察の手駒になる自警団を管轄に置きたい。
2)生活安全産業と称して、警察絡みの防犯グッズを商店街や個人に売りさばきたい。
3)退職警察官を、スクールガードと称して学校に常駐させたい。
……書いていた嫌になってきました。やっぱり、国家上級公務員ってただのタカリじゃないんでしょうか? たとえば、第2章の犯罪に強いまちづくりの推進の第7項には、地域警察活動の強化が謳われているのに、第1章の身近な犯罪に強い社会の構築の第1項には、防犯ボランティア団体に対する、支援の充実が謳われてるんですよ。国家予算が逼迫している状況なんだから、どちらかに絞るべきだし、今までの歴史を考えたらボランティア団体の活用はことごとく失敗に終わってるんだから、後者しかあり得ないだろうと思うんですけどね。この文章を書いた奴は、完璧に頭がいっちゃってるとしか思えません。
で、表現規制問題と関連するのは、
5 子どもと女性の安全を守るための施策の推進
③ 児童ポルノ対策等の推進
最新の技術を駆使した児童ポルノ事犯に対処するため、国際的な動向を踏ま
え、捜査に携わる警察職員の技能水準の向上、体制や資機材の強化を図るとと
もに、インターネットを介して売買される児童ポルノの根絶を図るため、買受
捜査を一層強化する。また、児童ポルノの排除に向けた国民運動を展開すると
ともに、国民の意識調査や諸外国の規制調査等を行い、児童ポルノに対する新
たな規制について検討する。
と、
第5 安全なサイバー空間の構築
1 違法・有害情報対策
① インターネット上の違法・有害情報対策に係る関係者間の連携強化
国内外のインターネット上の違法・有害情報やITに関連する様々な社会問
題の実態把握及びその対処のため、IT安心会議等において関係省庁間の連携
をより強化するほか、政府、事業者、関係団体等関係セクターを横断した実務
家間での情報共有を図る。
② インターネット上の有害情報から青少年を守るための対策の推進
青少年が安全に安心してインターネットを活用できる環境の整備等に関する
法律に基づき、インターネット青少年有害情報対策・環境整備推進会議を設置
し、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施
策に関する基本的な計画を策定するとともに、同計画に基づき、フィルタリングの普及促進、インターネットの適切な利用に関する教育及び保護者等に対す
る広報啓発を推進する。また、フィルタリングの性能及び利便性の向上に向け
た事業者の取組を支援し、青少年がインターネットを利用する場合におけるフ
ィルタリングの更なる導入促進を図る。
と、
2 違法・有害情報を排除するための自主的な取組への支援
① インターネット・ホットラインセンターの体制強化等の推進
インターネット上に氾濫する違法・有害情報により効果的に対応するため、
インターネット・ホットラインセンターの体制を強化し、サイバーパトロール
の民間委託等を推進するとともに、違法・有害情報の削除等の措置を講じるサ
イト管理者、サーバ管理者及び通信事業者に関する法的責任の負担軽減方策や
自主的対応への支援の在り方について検討する。また、有害情報簡易通報シス
テムの開発・実証等により、サイト管理者、インターネット関連事業者、NP
O、利用者等が協力して、違法・有害情報を効率的に特定・選別できる環境の
整備を図る。
④ 違法・有害情報検出方法及びフィルタリングソフトの高度化及び普及促進
多様化するインターネット上の情報に対し、掲示板等に記載されたキーワー
ドや文脈から必要な情報を検索する技術等の応用について引き続き検討し、サ
イト管理者等民間事業者による自主的な取組を支援するとともに、ISP等が
違法・有害情報等を迅速かつ効率的に検出し、削除や通報に活用するための高
度な技術等の実現に向けて研究開発支援を行う。また、フィルタリング利用者
の利便性向上を図るため、コンテンツの分類・格付け基準の策定に向けた取組
を支援するとともに、フィルタリング利用推進のための自主的な取組を支援す
る。
あたりが該当します。パブコメの内容に関しては、各自で考えて下さい。私も自分で書いたものを、このブログにアップする予定です。
政府では、これまで「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」(平成15年12月・犯罪対策閣僚会議決定)に基づき、5年を目途として、「世界一安全な国、日本」の復活を目指して一体となって総合的な犯罪対策を推進してまいりました。
その結果、平成14年まで7年連続で戦後最悪を記録し続けた刑法犯認知件数は、徐々に減少し、平成19年には200万件を切るまでに至りました。しかしながら、刑法犯認知件数自体は、昭和の安定期の約1.4倍近くであり、また、国民の治安に対する不安感は依然として高い状況です。
このような認識の下、「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」策定から5年を経過するに当たり、一体となって総合的な犯罪対策を推進し、国民が安全で安心して生活することができる良好な治安を実現するため、この度内閣官房を中心に「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)を作成いたしました。つきましては、平成20年11月28日までの間、本案に対するご意見を募集いたします。
締め切り日が11月28日(金曜日)の午後5時と差し迫っているので、とりあえず告知をしておきます。規制問題で反対意見を表明したい方は、パブコメを書いて送って頂けると助かります。
ただし、意見書を書く前には必ず「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に目を通しておいて下さい。
一応要約しておくと、
1)防犯ボランティアと称して警察の手駒になる自警団を管轄に置きたい。
2)生活安全産業と称して、警察絡みの防犯グッズを商店街や個人に売りさばきたい。
3)退職警察官を、スクールガードと称して学校に常駐させたい。
……書いていた嫌になってきました。やっぱり、国家上級公務員ってただのタカリじゃないんでしょうか? たとえば、第2章の犯罪に強いまちづくりの推進の第7項には、地域警察活動の強化が謳われているのに、第1章の身近な犯罪に強い社会の構築の第1項には、防犯ボランティア団体に対する、支援の充実が謳われてるんですよ。国家予算が逼迫している状況なんだから、どちらかに絞るべきだし、今までの歴史を考えたらボランティア団体の活用はことごとく失敗に終わってるんだから、後者しかあり得ないだろうと思うんですけどね。この文章を書いた奴は、完璧に頭がいっちゃってるとしか思えません。
で、表現規制問題と関連するのは、
5 子どもと女性の安全を守るための施策の推進
③ 児童ポルノ対策等の推進
最新の技術を駆使した児童ポルノ事犯に対処するため、国際的な動向を踏ま
え、捜査に携わる警察職員の技能水準の向上、体制や資機材の強化を図るとと
もに、インターネットを介して売買される児童ポルノの根絶を図るため、買受
捜査を一層強化する。また、児童ポルノの排除に向けた国民運動を展開すると
ともに、国民の意識調査や諸外国の規制調査等を行い、児童ポルノに対する新
たな規制について検討する。
と、
第5 安全なサイバー空間の構築
1 違法・有害情報対策
① インターネット上の違法・有害情報対策に係る関係者間の連携強化
国内外のインターネット上の違法・有害情報やITに関連する様々な社会問
題の実態把握及びその対処のため、IT安心会議等において関係省庁間の連携
をより強化するほか、政府、事業者、関係団体等関係セクターを横断した実務
家間での情報共有を図る。
② インターネット上の有害情報から青少年を守るための対策の推進
青少年が安全に安心してインターネットを活用できる環境の整備等に関する
法律に基づき、インターネット青少年有害情報対策・環境整備推進会議を設置
し、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施
策に関する基本的な計画を策定するとともに、同計画に基づき、フィルタリングの普及促進、インターネットの適切な利用に関する教育及び保護者等に対す
る広報啓発を推進する。また、フィルタリングの性能及び利便性の向上に向け
た事業者の取組を支援し、青少年がインターネットを利用する場合におけるフ
ィルタリングの更なる導入促進を図る。
と、
2 違法・有害情報を排除するための自主的な取組への支援
① インターネット・ホットラインセンターの体制強化等の推進
インターネット上に氾濫する違法・有害情報により効果的に対応するため、
インターネット・ホットラインセンターの体制を強化し、サイバーパトロール
の民間委託等を推進するとともに、違法・有害情報の削除等の措置を講じるサ
イト管理者、サーバ管理者及び通信事業者に関する法的責任の負担軽減方策や
自主的対応への支援の在り方について検討する。また、有害情報簡易通報シス
テムの開発・実証等により、サイト管理者、インターネット関連事業者、NP
O、利用者等が協力して、違法・有害情報を効率的に特定・選別できる環境の
整備を図る。
④ 違法・有害情報検出方法及びフィルタリングソフトの高度化及び普及促進
多様化するインターネット上の情報に対し、掲示板等に記載されたキーワー
ドや文脈から必要な情報を検索する技術等の応用について引き続き検討し、サ
イト管理者等民間事業者による自主的な取組を支援するとともに、ISP等が
違法・有害情報等を迅速かつ効率的に検出し、削除や通報に活用するための高
度な技術等の実現に向けて研究開発支援を行う。また、フィルタリング利用者
の利便性向上を図るため、コンテンツの分類・格付け基準の策定に向けた取組
を支援するとともに、フィルタリング利用推進のための自主的な取組を支援す
る。
あたりが該当します。パブコメの内容に関しては、各自で考えて下さい。私も自分で書いたものを、このブログにアップする予定です。
1件のコメント
[C868]
- 2008-11-24
- 編集
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1件のトラックバック
[T43] 【必読】総務省にパブリックコメントを送ろう。
総務省が、「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)
に対する意見の募集(パブリックコメント)
なるものをやっています。
このパブリックコメント、締め切りは明日の午後5時とかなり厳しいのですが、内容がものすごく規制寄りに
- 2008-11-27
- 発信元 : 電脳卓吾斎 離れ
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児童ポルノサイトの閲覧制限、総務省が実証実験へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081124-OYT1T00208.htm
総務省は、児童ポルノサイトの閲覧を制限する技術の実証実験を行う方針だ。
同省の研究会が26日にまとめる報告書案に方針を盛り込み、来年度にも実施する。
実験対象の技術は、閲覧を制限するサイトのリストを作成し、利用者が該当サイトのURLを入力した際に閲覧禁止の文言を表示するページなどへ誘導するというものだ。同様の技術は、北欧を中心に10か国で導入されている。
総務省はインターネット接続業者に実験への参加を呼びかける。