王様を欲しがったカエル

　本日は整形外科で治療。新年早々、派手に転んで受け身をとった際に、右手をアスファルトに着いてしまったのが災難の始まりで、緊急に原稿を仕上げる必要に迫られ、動かなくなった手を酷使したのが捻挫の症状を悪化させた。こりゃあ、厄年はホントにあるかもなぁ……という感じである。

　その間にも山と積まれた恋愛指南本を着々と読破して、予定していた冊数の約３分の１まで消化。その感想を一言で述べると「既存の本には書かれていないことが多すぎる」に尽きる。そして厄介なことに、その理由まで解ってくる。

　まず、恋愛論系の本だが、著者の大部分というか、私が読んだ限りでは１００％が恋愛向きの性格じゃない。だから、これらの本はタイトルこそ恋愛とうってあるものの、実体は「理想の女性がいない」という話に終始するという、なんというか「そこまで恋愛が嫌いですか？」的な内容になっている。

　しかし、そもそも「燃えるような恋がしたい」人がこの手の本を読むわけがないので、マーケティングのターゲット設定としては、恐らく間違っていないのが痛い。どうにもならない。

　続いて恋愛、もしくは婚活指南本の類だが、こちらは「女性との共感が大事」と書いてありながら、女性の生態（敢えてこういう書き方をします。すまん）については抽象的にしか書いていない。その代わり、女性の脳と男性の脳が違うとか、女性の感じ方が男性の感じ方が違うなど、認識論的な差異が書いてある。

　いや、虎と人間の脳が違うと書いてあって、それが医学的に正しかったとしても、虎の飼い方が書いてなきゃ人間は虎に襲われてお仕舞いなんデスよ。分かんないかな？　というわけで、仮にこれらの本を読んでも、恐らく女性と上手く話ができる可能性は限りなく低い。のだが、そもそも女性と上手くいかない男性は、女性の生態に興味ナッシングのケースがほぼ１００％だから、これもマーケティングのターゲット設定としては、恐らく間違っていないのである。

　えーと……。