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アジシオとデビルマン

 先日は映画制作のために、お貸しした麻縄の予備を製作しようと思い立ち、帰社中の編集者氏に頼んで塩水煮沸用の食塩を購入してもらう。しかし、私の手元に来たのはなぜかアジシオ。

 ………アジシオ?

 何ですか、これは。ひょっとして、アジシオで麻縄を作って「ぐへへ。俺の麻縄は一味違うぜ」というギャグを言わせたいとか? それとも、アジシオで塩水煮沸した麻縄を見て「これは本物の麻縄じゃない! 化学調味料が使われているっ!」というギャグを言わせたいとか? いずれにせよ、グルタミン酸ナトリウムで煮沸しても、消毒効果がどれだけあるかは疑問だなぁ。しかし、別の意味で美味しいな、これは。アジシオで煮沸した麻縄での緊縛って、世界にもそれほど例がないんじゃなかろうか? やはり、ここはあえて過ちを犯すべきなのか?

 本日は、実写系作品の製作の続き。その合間に、次回作の打ち合わせの電話。なぜか、先日の日記に書いた「現実が幻想を浸食する話」の話題になる。というか、どういうわけか、ここ2日間でこの話題を複数の人から振られている。

 私が「現実が幻想を浸食した瞬間」を強烈に意識しだしたのは、確か小学4年生の時だった。当時の私はマンガを読むという習慣が無く(実は今でもあまりない)、友達の家に行った時か、医者の待合室で鑑賞する機会が多かった。その中でも、薬局の息子だったY君とその兄上は、かなりのマンガコレクターだった。そこでY君が、「これは凄いマンガなんだよ」と、私に紹介してくれたのが永井豪のデビルマンだった。

 何しろ、あれだけマンガに耽溺していたY君が「凄い」と断言した作品である。よほどの名作に違いない。私は気合いを入れて『デビルマン』を読んだ。滑り出しは確かに順調だった。なるほど、面白いじゃないか!

 けれども、記憶がおぼろげなので間違っているかもしれないが、地下のディスコらしき場所でデーモン一族が人間と合体するあたりから雲行きがおかしくなってきた。どういうわけか、南極からテレポートしてきたはずのデーモン一族が日本語を喋っているのである。

 デーモン一族は南極で日本語を学習してきたのか? おかしいだろ。

 私は紙面から顔を上げて、Y君に「Y君。デーモン一族、日本語喋ってるよ」と告げた。しかし、Y君には私の意図は伝わらなかった………。

 という話をライター氏にすることで、「現実が幻想を浸食する」例を説明したかったのだが、返ってきたのは「鳥山さんは小学生の頃からひねくれてたんですね」というつれない返事。

 ああ! 何で分かってくれないのか?

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toriyamazine

Author:toriyamazine
東京都出身。
高校在学中にライターとしてデビュー。
以降は編集者・ライター・ゲームディレクター・実写アダルトDVDの監督、そして作家を兼任。
仕事はSMポルノ関係全般で、小説、ゲーム、実写etc、アニメーションを除くすべてのポルノ作品を平行して制作。年間発表数は約6作品前後がコンスタント。
一般作に関しては、別名義、もしくはアンカーマンとしてのみ参加中。

追記・最近になってメールで連絡が取れないという非難が多く聞かれるようになったので、仕事用のアドレスを公開しておきます。
jjnewzine★gmail.com
です。★マークを@に変えて使ってね。

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