王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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8月17日の続き。
2003年に発足した、『レイティング/フィルタリング連絡協議会』(以降はRF研と略称)は、2005年11月30日に開かれた、2005年度第1回目の研究会の時から危ない橋を渡り始める。それは、ずばり同性愛差別である。
最初に同性愛の名称が出てくるのは、『SafetyOnline3検討に関する参考資料』というペーパーである。ここでは主要フィルタリングソフトの分類例(1)の中にある、InterSafe Personal(インターセーフ パーソナル)というアルシー社製のフィルタリングソフトの分類中に『同性愛』の単語を発見できる。このフィルタリングソフトのエンジンを制作している会社が、前述のネットスター社だ。
余談になるが、InterSafe Personalは国産フィルタリングソフトシェア1位の商品で、かつ日本PTA全国協議会推奨商品であるInterSafeの家庭版なんだそうだ。発売は20004年3月。PTAは同性愛差別をする気満々のようですな。ははは。
アルシーのフィルタリングソフトが、分類例として取り上げられているのは、RF研にネットスター社の社長である小河原昇が委員としているためだが、これにはもう少し込み入った事情がある。その事情とは、月日を少し遡って同2005年8月24日に発表されたネットスター社のプレスリリースから見えてくる。それは警察との関係である。
このプレスリリースによると、デジタルアーツ株式会社とネットスターの2社が、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターより犯罪・有害サイト情報を提供されるという趣旨である。まず、この件で凄いのは警視庁が既にフィルタリングソフトの制作に堂々と関与していることで、これは警察がフィルタリングの対象となる「有害」情報の選定に関与できる、というか既にしている事を意味している。つまり、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターが子供に見せたくないと判断した情報はブロック可能なのだ。
しかも、警察とソフトハウスが提携した理由は、「未成年者がネットトラブルに巻き込まれる件数が急増した」というもので、この主張をしているのは警察庁自身。つまり、完全な自作自演である。
このマッチポンプぶりは凄まじいものがあって、たとえば前述のネットスター社とデジタルアーツ社は、2005年の10月26日から30日までの期間に開催された第43回「親と子の警察展」でフィルタリングソフトを展示しているのだが、この展示会を警視庁と合同で開催しているのが、社団法人東京母の会連合会。ちなみに、この会の住所は千代田区霞が関2-1-1で、これは警視庁の所在地と一緒。
いやあ、脳内妹ならぬ警察母ですよ!
ただし、オタクの脳内妹が本人の脳内及びに周辺関係者しか影響を及ぼさないのに対して、警察母の方はかなり昔からバリバリの規制派団体として君臨。たとえば、1955年の5月6日に青少年に有害な出版物・映画等追放都民大会を他の団体と開催し、1500人近い人員を集めている。
現在でも東京都の不健全図書を選定する委員は同会から選出されるし、数年前にあった東京都青少年健全育成条例の改悪騒ぎにも一枚噛んでいる。つまり、遥か昔から警察内の社団法人が母親面、父親面をして規制を訴えているわけですよ。これじゃ、オタクが叩きの対象になるのも当然だわな。
この件に関して一番不思議なのは、都議員の大多数がこの問題に関して言及しないことで、正直な感想を言わせて頂くと、警察のマッチポンプをこれだけ長期間に亘って放置している理由がよく分かりません。普通、本部が警視庁内にある「母親の会」の言い分なんて信じたりしないだろうと思うんですけどね。謎だよ。
2003年に発足した、『レイティング/フィルタリング連絡協議会』(以降はRF研と略称)は、2005年11月30日に開かれた、2005年度第1回目の研究会の時から危ない橋を渡り始める。それは、ずばり同性愛差別である。
最初に同性愛の名称が出てくるのは、『SafetyOnline3検討に関する参考資料』というペーパーである。ここでは主要フィルタリングソフトの分類例(1)の中にある、InterSafe Personal(インターセーフ パーソナル)というアルシー社製のフィルタリングソフトの分類中に『同性愛』の単語を発見できる。このフィルタリングソフトのエンジンを制作している会社が、前述のネットスター社だ。
余談になるが、InterSafe Personalは国産フィルタリングソフトシェア1位の商品で、かつ日本PTA全国協議会推奨商品であるInterSafeの家庭版なんだそうだ。発売は20004年3月。PTAは同性愛差別をする気満々のようですな。ははは。
アルシーのフィルタリングソフトが、分類例として取り上げられているのは、RF研にネットスター社の社長である小河原昇が委員としているためだが、これにはもう少し込み入った事情がある。その事情とは、月日を少し遡って同2005年8月24日に発表されたネットスター社のプレスリリースから見えてくる。それは警察との関係である。
このプレスリリースによると、デジタルアーツ株式会社とネットスターの2社が、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターより犯罪・有害サイト情報を提供されるという趣旨である。まず、この件で凄いのは警視庁が既にフィルタリングソフトの制作に堂々と関与していることで、これは警察がフィルタリングの対象となる「有害」情報の選定に関与できる、というか既にしている事を意味している。つまり、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターが子供に見せたくないと判断した情報はブロック可能なのだ。
しかも、警察とソフトハウスが提携した理由は、「未成年者がネットトラブルに巻き込まれる件数が急増した」というもので、この主張をしているのは警察庁自身。つまり、完全な自作自演である。
このマッチポンプぶりは凄まじいものがあって、たとえば前述のネットスター社とデジタルアーツ社は、2005年の10月26日から30日までの期間に開催された第43回「親と子の警察展」でフィルタリングソフトを展示しているのだが、この展示会を警視庁と合同で開催しているのが、社団法人東京母の会連合会。ちなみに、この会の住所は千代田区霞が関2-1-1で、これは警視庁の所在地と一緒。
いやあ、脳内妹ならぬ警察母ですよ!
ただし、オタクの脳内妹が本人の脳内及びに周辺関係者しか影響を及ぼさないのに対して、警察母の方はかなり昔からバリバリの規制派団体として君臨。たとえば、1955年の5月6日に青少年に有害な出版物・映画等追放都民大会を他の団体と開催し、1500人近い人員を集めている。
現在でも東京都の不健全図書を選定する委員は同会から選出されるし、数年前にあった東京都青少年健全育成条例の改悪騒ぎにも一枚噛んでいる。つまり、遥か昔から警察内の社団法人が母親面、父親面をして規制を訴えているわけですよ。これじゃ、オタクが叩きの対象になるのも当然だわな。
この件に関して一番不思議なのは、都議員の大多数がこの問題に関して言及しないことで、正直な感想を言わせて頂くと、警察のマッチポンプをこれだけ長期間に亘って放置している理由がよく分かりません。普通、本部が警視庁内にある「母親の会」の言い分なんて信じたりしないだろうと思うんですけどね。謎だよ。
7件のコメント
[C663]
- 2008-09-06
- 編集
[C669]
- 2008-09-08
- 編集
[C670] 一GT掲示板参加者さん
福田が辞任してくれ高げでこちらは助かりました。
実は、毎日新聞の件でロビイングをしなければならなかったんですけど、こちらのスケジュールがあまりにもきつくて実行不可能な状態になっていたんですね。
おまけに、10月解散となってくれれば、ユニセフの連中が予定していたサンパウロでの勝利宣言も不可能になりますし、こちらとしては願ったりかなったりの展開ですよ。
これで、闇の子供たちでやったキャンペーンの効果も半減してくれればいいんですけどね。まあ、そこまで都合良く事態が進展はしないでしょうけど。
実は、毎日新聞の件でロビイングをしなければならなかったんですけど、こちらのスケジュールがあまりにもきつくて実行不可能な状態になっていたんですね。
おまけに、10月解散となってくれれば、ユニセフの連中が予定していたサンパウロでの勝利宣言も不可能になりますし、こちらとしては願ったりかなったりの展開ですよ。
これで、闇の子供たちでやったキャンペーンの効果も半減してくれればいいんですけどね。まあ、そこまで都合良く事態が進展はしないでしょうけど。
- 2008-09-08
- 編集
[C680] 一GT掲示板参加者
どうやらwaiwaiの記事をエクパットが大幅に歪曲したのが真相のようです
Japan recruits romantic otaku geeks to revive economy
「日本は経済を再生しようとロマンチックなオタクを募る」
検証
waiwai の記事では、萌え産業 - the otaku-dominated market - オタクが主になる市場 とあり(『オタクが主になる市場』についてはもっと的確な訳があるかとは思います)、素直に読むと、鉄道オタクやダムオタクや三国志オタクや軍事オタクが買ったものまで萌え産業に含まれることになります。
アニメの女子キャラはどうどもいいけどロボットのおもちゃが好きなので買ったという人もいます。
鉄道模型やダムの写真を入れるアルバムや横山光輝のまんがや迷彩服や超合金ロボットを買ったお金までふくめて考えたデータをつかって「児童ポルノに888億円使っている日本は児童ポルノ大国だ」なんていわれちゃたまりません。
また、waiwaiで880億円といわれているのがなぜECPATで888億円になっているのでしょう。
そもそもECPAT自体がうさんくさい。
Violence_in_Cyberspace_ENG.pdf を読もうとしたら「攻撃サイトとして報告されています!」と報告されました。
waiwaiを引用している時点ですでにうさんくさいのですが。
浜銀のもとの報告とViolence_in_Cyberspace_ENG.pdfにもあたってみる必要があるかもしれませんね。
ttp://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1485.html
Japan recruits romantic otaku geeks to revive economy
「日本は経済を再生しようとロマンチックなオタクを募る」
検証
waiwai の記事では、萌え産業 - the otaku-dominated market - オタクが主になる市場 とあり(『オタクが主になる市場』についてはもっと的確な訳があるかとは思います)、素直に読むと、鉄道オタクやダムオタクや三国志オタクや軍事オタクが買ったものまで萌え産業に含まれることになります。
アニメの女子キャラはどうどもいいけどロボットのおもちゃが好きなので買ったという人もいます。
鉄道模型やダムの写真を入れるアルバムや横山光輝のまんがや迷彩服や超合金ロボットを買ったお金までふくめて考えたデータをつかって「児童ポルノに888億円使っている日本は児童ポルノ大国だ」なんていわれちゃたまりません。
また、waiwaiで880億円といわれているのがなぜECPATで888億円になっているのでしょう。
そもそもECPAT自体がうさんくさい。
Violence_in_Cyberspace_ENG.pdf を読もうとしたら「攻撃サイトとして報告されています!」と報告されました。
waiwaiを引用している時点ですでにうさんくさいのですが。
浜銀のもとの報告とViolence_in_Cyberspace_ENG.pdfにもあたってみる必要があるかもしれませんね。
ttp://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1485.html
- 2008-09-10
- 編集
[C681]
2003 年のコンテンツ市場における「萌え」関連は888 億円
http://www.yokohama-ri.co.jp/press/pdf/pr050401.pdf
一次ソースを発見してきました
浜銀総合研究所のレポートですが、これを全て児童性虐待の結果だというエクパットの主張はどうみてもデタラメです
http://www.yokohama-ri.co.jp/press/pdf/pr050401.pdf
一次ソースを発見してきました
浜銀総合研究所のレポートですが、これを全て児童性虐待の結果だというエクパットの主張はどうみてもデタラメです
- 2008-09-10
- 編集
[C682]
エクパットはせっかく一次資料をチェックしていたのに(waiwaiの880億がちゃんと888億になっている)どうしてwaiwaiの記事なんか参考文献にしちゃったんでしょうねぇ?
資料の誇張、改ざんをこれまで散々繰り返してきたでたらめな姿勢の表れとしか言いようが無いですよ。
むかつくのは、こういう連中が日本の代表面して「メイド喫茶が流行すると児童がセルフヌードをネットに投稿するようになる」とかいうペド妄想を全世界に吹聴して回っていることですよ。
http://news410.blog104.fc2.com/blog-entry-47.html
資料の誇張、改ざんをこれまで散々繰り返してきたでたらめな姿勢の表れとしか言いようが無いですよ。
むかつくのは、こういう連中が日本の代表面して「メイド喫茶が流行すると児童がセルフヌードをネットに投稿するようになる」とかいうペド妄想を全世界に吹聴して回っていることですよ。
http://news410.blog104.fc2.com/blog-entry-47.html
- 2008-09-10
- 編集
[C703] こんなのが作られたそうで
コンテンツ学会設立準備会
http://contents-gakkai.org/
「コンテンツ学会設立総会・シンポジウム」
・日時:2008年10月11日(土)
13時30分~14時:発起人を対象とした設立総会
14時30分~16時30分:設立シンポジウム
終了後、設立記念パーティーを開催
・会場:秋葉原コンベンションホール
・地図:ttp://www.akibahall.jp/data/access.html
・費用:無料(設立記念パーティーのみ会費制:5000円程度)
・登壇者(50音順):
麻生太郎氏(自由民主党衆議院議員・幹事長)
大路正浩氏(内閣官房知的財産戦略推進事務局内閣参事官)
小笠原陽一氏(総務省情報通信政策局コンテンツ振興課課長)
金正勲氏(慶應義塾大学DMC機構准教授)
杉山知之氏(デジタルハリウッド学校長)
中村伊知哉氏(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)
玉井克哉氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)
原口一博氏(民主党衆議院議員)
堀部政男氏(一橋大学名誉教授)
村上敬亮氏(経済産業省商務情報政策局
メディア・コンテンツ課課長)
山下和茂氏(文化庁長官官房著作権課課長)
和田洋一氏(スクウェア・エニックス代表取締役社長)
※ご氏名・ご所属・パーティーの出欠をご記入の上、
info [at] contents-gakkai.orgまでご連絡ください。
http://contents-gakkai.org/
「コンテンツ学会設立総会・シンポジウム」
・日時:2008年10月11日(土)
13時30分~14時:発起人を対象とした設立総会
14時30分~16時30分:設立シンポジウム
終了後、設立記念パーティーを開催
・会場:秋葉原コンベンションホール
・地図:ttp://www.akibahall.jp/data/access.html
・費用:無料(設立記念パーティーのみ会費制:5000円程度)
・登壇者(50音順):
麻生太郎氏(自由民主党衆議院議員・幹事長)
大路正浩氏(内閣官房知的財産戦略推進事務局内閣参事官)
小笠原陽一氏(総務省情報通信政策局コンテンツ振興課課長)
金正勲氏(慶應義塾大学DMC機構准教授)
杉山知之氏(デジタルハリウッド学校長)
中村伊知哉氏(慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授)
玉井克哉氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)
原口一博氏(民主党衆議院議員)
堀部政男氏(一橋大学名誉教授)
村上敬亮氏(経済産業省商務情報政策局
メディア・コンテンツ課課長)
山下和茂氏(文化庁長官官房著作権課課長)
和田洋一氏(スクウェア・エニックス代表取締役社長)
※ご氏名・ご所属・パーティーの出欠をご記入の上、
info [at] contents-gakkai.orgまでご連絡ください。
- 2008-09-15
- 編集
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民主案は提出されないまま、解散に突入でしょう。
10月解散-11月衆院選 与党が模索、支持率改善前提に
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008090401000885.html
自民、公明両党が臨時国会冒頭の「代表質問後の衆院解散」を軸に「10月解散-11月総選挙」を模索していることが4日、分かった。自民党総裁選を経て内閣支持率が大幅に改善することが前提。
最終判断は新首相に委ねられるが、与党にとって、総裁選の勢いを維持したまま衆院選に突入するのが得策との認識だ。複数の与党関係者が明らかにした。
ただ物価高や景気減速に対応する2008年度補正予算案成立を優先すべきだとの意見もあり、総裁選の結果次第で流動的な面も残っている。
政府、与党は今月22日に自民党総裁選の投開票が行われるのを受け、新首相の指名選挙を実施する臨時国会を24日に召集する方針。
29日に新首相の所信表明演説、10月1-3日に衆参両院で各党代表質問を行う予定で、これまでの与党内協議では、代表質問終了後の「10月上旬解散-11月9日衆院選」が有力視されている。
補正予算案に野党が賛成するか、賛成しないまでも早期成立に協力する場合は、補正予算案成立後の10月中旬ごろまで解散を先送りする案も検討されている。