王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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文章の善し悪しをジャッジする基準・後編1
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- スレッドテーマ : ひとりごとのようなもの
これに対して、文章末尾のバリエーションが豊富なのは単純一人称です。これは、一人称文体における助動詞の活用形が(その一人称を語る)主人公の人格表現に関わるためで、文末が無味乾燥なイメージを抱かせないからです。 という堅苦しい書き方をしても、やっぱりわけが分からないでしょうから、具体例を並べていきましょう。鳥山は馬鹿だった。鳥山って馬鹿だったのよ。鳥山は馬鹿だったんです。鳥山は馬鹿だったんですね。鳥...
文章の善し悪しをジャッジする基準・中編
- ジャンル : 日記
- スレッドテーマ : ひとりごとのようなもの
●基準3(実作初期の作家・読書歴がかなりある読者) 「基準2」からの続きです。人称の問題に続いて長編小説の実作者が直面するのは「言い換え」の問題です。と言っても、いきなり何のことかぴんと来る人は少ないでしょうから、実例を挙げて説明していきましょう。たとえば、鳥山は言った。「僕は馬鹿でーす」 という文章があったとしましょう。この単文だけであれば、言い換えの問題を気にする必要はほとんどありません。とこ...
文章の善し悪しをジャッジする基準・前編
- ジャンル : 日記
- スレッドテーマ : ひとりごとのようなもの
もう、そろそろ政治関連の葉梨じゃねえや、話ばっかりしているのが嫌になったので、前に電気屋さんと約束した通り、文章の善し悪しをジャッジする基準について、軽く説明をしたいと思います。 ただし、評価対象はあくまでも小説、それもフィクション色の強い長編小説限定です。●基準1(読書歴の浅い人物、実作前の作家志望者、あるいは短文執筆がメインの評価者) このカテゴリーの評価者は、よほど論理的でない限りインパク...