王様を欲しがったカエル

　先週は撮影３本に原稿書きという殺人スケジュールに。しかも、そのウチの２本は表紙撮影という荒技。特に自分がメインになっている雑誌の表紙は、アイデアがまったく思いつかず、七転八倒の末の撮影だったので感慨深い。

　ＳＭムックの表紙というのは、人目を惹きつつ扇情的なポーズが要求されるので、結構パターンが似通ってくる。なので、何冊も本を作っているとかなり早期にアイデアが枯渇する。そこからが編集者の腕の見せ所………と言いたいところなのだけれど、これがなかなか決まらなかった。原因は、表紙と同時に撮影するグラビアの設定があやふやだったから。

　ぶっちゃけ、明るめのハウススタジオで撮るか、暗めのスタジオで撮るかによって、写真のイメージが大幅に変わってしまうのに、どっちにしたら良いのか自分でも見当がつかなかったのだ。こういう、意識が定まらない状況下では原典に返るのが一番と言うことで、古いＳＭ雑誌のグラビアを片端から集めてきて、切り貼りを繰り返してイメージを固めるという手法を採った。

　また、以上のような理由から、女優さんに関しても色んな状況に対応可能な子が良いという理由で、ＡＶ歴５年の日高ゆりあちゃんに依頼（ＡＶ女優の平均的な活動期間が３ヶ月から半年程度であることを考えると、彼女の活動歴はほぼ異例ともいえる）。

　結果は………大正解！　売れるかどうかは現段階では分からないけど、写真としてはかなり質の高い作品になった（と思う）。

　が……今週は規制推進派の運動が活発でうんざり。以下がそのニュース。

［2008年2月4日17時35分］

＜鳩山法相＞児童ポルノ画像「所持だけで処罰」の考え示す
2月4日18時57分配信 毎日新聞

　鳩山邦夫法相は４日の参院予算委員会で、児童買春・児童ポルノ禁止法をめぐり、
児童ポルノ画像を所持しているだけで処罰する規定を新設すべきだとの考えを示した。
有村治子氏（自民）の質問に答えた。単純所持に対する処罰を求める考えは根強く、
法相発言をきっかけに法改正に向けた動きが進む可能性がある。

　現行法は販売目的所持や違法画像提供などが処罰対象だが、抑止効果が上がっていないのが実情。
有村氏は「子供の人格と人間としての尊厳を踏みにじり、生涯に及ぶ被害があまりにも甚大だ」と、
単純所持も規制対象とするよう求めた。

　これに対し、法相は「インターネットに出回れば、永久に世界を回り、子供の人生が未来永劫（えいごう）破壊される。
こういうことは厳しくていい」と罰則の必要性に言及。
福田康夫首相も「しっかり対応すべきで、何らかの手を打たないといけない」と述べた。

　同法は与野党全会一致の議員立法で９９年に成立。与党は０４年の法改正の際に単純所持の禁止条項創設を検討したが、
野党が「捜査権の乱用を招く」と懸念を示して見送られた。【田中成之】

　有村治子は野田聖子に手紙を送ったことがきっかけで、主婦から参議院議員になったという人物で、近江兄弟社学園→国際基督教大学教養学部卒業という経歴から、バリバリのキリスト教徒だと思っていたのに、支持母体は神社本庁（神道系）、真如苑（仏教系）、黒住教（神道系）と、もう何が何だかよくわからない。宗教系という意味では一貫性があるのかもしれないけど、一体何教の信者なんだ？　もっとも、何教だろうが今回の質問は野田聖子がらみと見て間違いないだろう。

　そこで、国会では児童ポルノ単純所持の罰則化議論が再燃（？）しているんだけど、こちらは仕事があまりにも忙しいために、週末までまったく対策ができなかった。ただ、そうではなくとも、この問題は何重もの意味で気が進まない。

　まず、私は小児性愛者ではないので、児童ポルノの単純所持を禁止されても不利益を被る立場にいないので、反対すると言っても迫力がないから辛い。もっとぶっちゃけて言ってしまうと、何で子供の登場するポルノでマスターベーションできる人間がいるのか、理屈では分かっても共感するのは難しい。

　私が仕事柄若い女性と接する機会が多いからかもしれないけれど、法律的に成人とされる１８歳以上の女の子でも、２４歳ぐらいまでは性的には「子供」とあんまり変わらない。これは、人間の女性の出産と性的に強い快楽を得られる年齢にずれがあり、一部の例外を除けば２０代前半ぐらいまでは、主要な性感帯がクリトリスであるためだ。

　ところが、お定まりだが小児性愛者の多くは自己正当化のために、出産可能年齢＝大人という定義を持ち出して、「女性の方が早く大人になる」説を主張するケースが多い。で、ここから「女性の方が早く成長するんだから、若い女とセックスさせろ」的な結論に持って行きたがるんだけど、未成年者も成人も出産できれば大人として同列だというのであれば、現行法のまま大人の女性とセックスすれば良いだけの話で、論理的に破綻している上に、上述の理由から大人の男性からも支持を得られないロジックでしかない。敢えて牽強付会するのであれば、出産率の低下を防ぐために若年層の婚姻率を上げろと言う主張ができなくもないけど、今度は若年出産→子育てというコースが、女性の高学歴化を妨げる＝女性の社会進出を妨害するという理由で、こっちもバッシングは免れないだろう。

　次に、この問題に関わっている限り、女性層の支持がほぼ半永久的に得られないことが分かっているから辛い。『青少年環境有害対策基本法』の頃から反対運動に関与したからよく覚えているけど、『青少年～』の時には協力して下さっていた女性陣が、『児童ポルノ禁止法』になった途端、毒を飲まされたお岩さんの髪の毛のように、ごっそり抜けてしまったのは、もう、なんというか予想はしていたけど本当に痛かった。しかも、女性陣からは去り際に「××さんとは一緒にいたくない。キモイ」とまで言われた日には……ねぇ。本人は女っ気がほとんど無い上に小児性愛者だから、そう言われていることすら気付いてないのを見ると、あんまりにも痛々しくて言葉を失ったことを昨日のことのように思い出せる。

　ただ、こっちとしては単純所持罰則化が制定されてから、年齢確認の網をかいくぐって未成年者がＡＶに出演した時のリスクを考えると、反対意見を引っ込めるわけにはいかないのだ。ぶっちゃけ、この手の事件は毎年起きているわけで、一人でも未成年者が業界に入り込んだ段階で、モデルプロダクション、メーカー、小売り、ユーザーのすべてが壊滅的な打撃を受けるのは目に見えている。

　その対策は既に思いついているんだけど、リスクが高いから事前の根回しとかタイミングが結構難しい。まあ、もうタイミングなんて計っている暇はないから、ぶっつけ本番で行くしかないんだけど。嫌だなぁ、人間爆弾になるのは。