王様を欲しがったカエル

　締め切り間近なのを無理して、『崎山伸夫のBlog』～の続きを書いている途中でパソコンがハングアップ。データの大部分が消失。気力が大いに減退。仕方がないので、本業の原稿を書きつつ、次の撮影を見越してＳＭ道具のメンテナンスを行う。

　特に熱心になったのが一本鞭の補修。一本鞭は使用していると先端の革が千切れて塗料もはげるので（理由は秘密だ）、せめて見栄えだけはよくしようと思い絵筆で皮革用染色剤を塗る。で、私の使用しているのは黒い鞭なので、黒い塗料を絵筆でペタペタやっているうちに、だんだん「ムラなく塗らねばならぬ」という強迫観念にとりつかれ、ある種のトランス状態に陥ると、かつて漫画家のＡ先生が私の自宅に押しかけて、「原稿の仕上げを手伝ってくれ」と言って、３日間も居座ったあげくトーン貼りとベタ塗りを手伝わされた………など、嫌な記憶が蘇ってきて悶絶。

　仕方がないので、心を落ち着けるべくクイーン・アドリーナの"Pretty Like Drugs "を拝聴。今年になって初来日を果たしたバンドだから、知名度も大幅に上がっているハズなんだけど、実際のところはどうなんでしょうか？　ボーカルのケイティはクィーン・アドリーナ以前に在籍していたデイジー・チェインソーの頃から知っていたが、正直に告白するとほとんど興味がなかった。私の判断基準からすると、声質が子供過ぎた。クィーン・アドリーナも、最初のアルバムに関しては「？」という評価だ。嫌いじゃないんだけど好きでもない、というところだろう。

　しかし、２００２年に発売された"DRINK ME"で、「キテんなこりゃあ」となって今に至る。引きこもりの内気な女性が、３０過ぎて逆ギレしたようなアッパー感がたまんないね。声もハスキーになってきたし。しかし、よーく見ると、ケイティのやってることはデイジー時代からほとんど変わってないんだよね。大人になっただけで。

　まあ、これは私も同じで、一本鞭にベタ塗りするのも、漫画の原稿にベタ塗りするのもたいして変わりはなく……って、鬱スパイラルやんけ！　こら！