王様を欲しがったカエル

　先々日は営業から新雑誌の先行発注分の冊数が通達される。私の予想よりも多い。うーん、多すぎるのは色んな意味で危険な兆候だなぁ……。ただし、作業の方は２８日に締め切り日が設定されている、グラフ誌のサポートに専念。厳しいスケジュールだと思っていたが、予想以上に厳しくて青息吐息。

　にもかかわらず、先日は起床すると喉が腫れ上がってまともに声も出ない状態に。あわてて耳鼻科で受診すると「扁桃腺が腫れています。これは危険ですね」と抗生物質を筋肉注射される。面白かったのは、注射までの間に子供が受診に来ていた様子を見られたことで、中耳炎の疑いがあったようなのだが、実際には巨大な耳垢が詰まっているだけだった。ところが、これを取り除くのに大騒ぎ。看護婦が２人がかりで子供を押さえつけ、医師が耳垢を取り除いている間に「痛いよぉぉぉ」と絶叫しっぱなし。これじゃ、母親一人で耳垢を取るのは無理だろう。医師もあきれたらしく、私に対して「こっちの方がずっと痛いですから、あの子より大きな声で泣きわめいても良いですよ」とギャグを飛ばしてくる。私もそれに応じて「そうします」と言ったものの、その場ではほとんど痛みを感じなかった。

　それにしても、先述のようなシーンを目撃すると、小児性愛者というのはある意味タフな生き物だなとつくづく思い知らされる。あんな様子を目の当たりにしたら、性的に興奮するのは無理だよ。どうやって現実認識力を低下させているんだろう？

　本日はひたすらグラフ誌のサポートに専念。作業終了間際になって、ようやく販売促進用のポスターをチェック。制作者はデザインを今ひとつ気に入っていないようで、リファインすると言っていたが、私の方は特に気にならず。ディティールにこだわる気持ちは分かるけど、広告効果にそれほど大きな違いが出るかと訊かれれればＮＯだろう。むしろ私が気になるのは、彼のデザインに必ず十字マークが入っているところで、今回はタイトルに十字架としてバッチリ入れ込んであったので、「またか」という気持ちにさせられる。

　ヴィジュアルに対する強迫観念が薄い私は、強い人間の創作物を見ると、異次元に飛ばされたというか、思考形態が違うんだろうなぁという感じで他人事になってしまうのだ。ヤン・サウデックとかヘルムート・ニュートンの写真を見た時の感覚に近いのか？　などと言いつつ、私自身もトマス・ルスの写真は大丈夫だったりするのだから、他人様のことは批判できないよね。ドイツ・東欧系ワンパターン万歳！