王様を欲しがったカエル

　ようやく脳のダメージから回復。日記を確認すると、７月２日から５日間かかって復調したことが確認できる。脳のダメージが継続した期間は約２ヶ月というのが最長で、この時はさすがの私も「もう、創作で喰っていけないんじゃないか？」と悩んだことは今でも鮮明な記憶として残っている。今回は睡眠時間の再調整のために、メラトニンを大量服用して１日を完全な時間調整にあてた。それでも５日間は「馬鹿」になっていたのだから、自分が考えていたよりもダメージは大きかったわけだ。

　その間の個人的なトピックは、敬愛する先輩シナリオライター氏が作品をアップしたことだろう。あまりの大作に「もう、完成しないんじゃないか？」と思っていたので、私の喜びもひとしお。いや、本当に良かった。

　一方、私の仕事は色校→出校と進展。一部に問題はあったものの、最終的に解決されたので、これにて作業は完全終了。ところが、良くないことは起こるもので、新作のアイデア練りをしている最中に、以前から気にかかっていた『悪夢探偵』（塚本晋也監督）をＤＶＤで鑑賞したら、松田龍平演じる主人公のキャラが次回作に予定していた私の方の主人公のキャラとバッチリ被っていて意気消沈。「ああ、いやだ」という台詞まで似ていたのには参った。とどめに（演技はさておき）相棒役のhitomiがクールビューティーのツンデレ系というところまでそっくり。

　まあ、夢は私が作品内で頻繁に使うモチーフだし、駄目男に女王様のコンビも定番だから、こうなるのも仕方ないのかもしれないけれど、塚本監督の方が遥かにメジャーだし、それ以前に創作仁義として後発組の私が全面的にキャラの書き直しをしなくちゃいけないよなぁ。そうなると、ストーリーまで全面書き直しかぁ。ああああ、いやだ、いやだ。

　話は変わって、ようやく６月２５日の日記の続きを………と考えていたら、参議院の選挙が近づいているので急遽予定変更。

　今回の選挙は、７月１２日に公示が行われ、７月２９日に投票が行われるというスケジュール。改選数は１２１議席。ところが、現在の参議院の議席数は２４２。どうして、全ての議席が選挙の対象とならないかといえば、通常の参議院選挙は３年ごとに行われて、定数の半分ずつ改正されるから。つまり、今の参議院議員の半分は３年前の選挙で選ばれた人です。だから、参議院議員の通常任期は６年ってことになります。このことを覚えておかないと、後の説明が分からなくなってしまうのでご注意を。

　さて、参院選の選挙方法ですが、選挙区制と比例代表制の併用です。選挙区制というのは、選挙区と当選人数を決めて、そこから議員を選出する方法。参議院の場合は大型選挙区とか中型選挙区とかいって、１つの選挙区が大きい上に、何人もの議員を当選させることが可能です。

　たとえば、最大の選挙区である東京では、参議院議員の当選人数は１０人。ところが、先ほども述べたように、参院選というのは総議員数の半分しか選挙の対象にならないので、実際には１０÷２＝５で、１回の選挙では５人しか選ばれません。これのどこが重要かと言えば、参議院議員を２人しか選べない選挙区で、東京と同じように議席数を２で割ると１人。要するに、１人しか議員さんを選べないわけです。

　そうなると、複数の議員さんを選べる選挙区と違って、こうした区域では多数派（マジョリティ）にならない限り、絶対に選挙には勝てないってことになります。当選者数が５人だったら、少数派の候補者でも当選する可能性があるわけですが、当選者数が１人の場合は、そういうわけにはいかないってことです。こういう、いわゆる『一人区』と呼ばれる選挙区が、今回の選挙では２９あります。今回の参院選改選数は１２１ですから、約２割強の選挙区では、通常の参院選とは異なった対応が求められるということです。
（続く）