王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
Entries
ネットで知り合った変態系の知人が、双極性障害(躁鬱病)が原因で人間関係を破壊したあげくにセクハラ行為を働いて遁走。もう、絵に描いたようなパターンでため息しか出ない。躁状態になった際に、夜な夜な遊び歩いては酒を痛飲し、酩酊状態で近くにいた女性に無理矢理関係を迫ったり、暴力をふるったり、金がなくなると寸借詐欺にはしり……というご乱行がネット上でも広まり、周囲から排除されてドボンって感じである。幸い、警察に訴えられなかったので大事にはならなかったが、躁状態の本人には病識がないので、家族の忠告も聞き入れない状態らしい。
もっとも、これが警察に通報されて新聞沙汰になると、まず間違いなく双極性障害だという事件にとっての一番大きなポイントは伏せられる。警察は病院ではないし、双極性障害はほとんどの患者が20代の前半にまで発病するのが大きな特徴なので、本人も家族も病態を「性格」だと誤認しているケースが圧倒的に多いからだ。だから、事件のレポートは、「酔った勢いで女性に乱暴」ってことになるのだけれど、私の知る限り普通の酔っぱらいが女性に対して性的な関係を執拗に迫るというケースはほとんど無い。酒を飲む前から頭の調子がおかしいのだ。
そして、これはセクハラを扱った社会学関係の論文も、私の読んだ範囲内ではマスコミの報道と同様に精神病の問題を隠蔽している。ただし、こちらは私の精査が済んでいないので断言はできない。モラル・ハラスメントの加害者が「症状なき精神病者」と呼ばれているのとは対照的だが、モラル・ハラスメントの加害者も病的行動はたっぷりやっているケースが圧倒的に多いので「症状なき」といううたい文句は眉唾物である。ひょっとすると、社会学そのものが精神病の問題を隠蔽したいのかと疑いたくなるほどだ。いずれにせよ、レポートに出てくる状況と、実際に見聞した状況が違いすぎて現段階では信用に値しない。
この手の学説で一番笑ったのが、犯罪学の泰斗で『自殺論』の作者としても知られるデュルケームのアノミー論。「社会の規制や規則が緩んだ状態においては、個人が必ずしも自由になるとは限らず、かえって不安定な状況に陥ることを指す」のだが、要するに環境の変化が精神病患者にもたらす悪影響を、社会環境のせいだと誤認したものだ。
精神病にかかった人間や自閉症患者は環境の変化に即応的な対応をする能力を失っている。だから、自分にメリットがあろうかなかろうが、環境が変化すると精神状態が不安定になる。意外に知られていないことだが、結婚や昇進といった本人にとっておめでたい環境の変化があっても、精神病が発症するケースというのはけっこうある。こうしたケースで、日本人にとって一番なじみが深いのは『五月病』で、四月に就学・就職した将来有望な若者が、環境の変化に耐えられずに五月頃になると発病というパターンだ。これだって、発病のトリガーになっているのは就学や就労といった、世間的に見ておめでたい出来事なのだ。つまり、「何があったか?」という意味性が重要なのではなく、「変化があった」という時系列上の事実が重要なのだ。
何度も何度も繰り返し言ってやるが、現実で重要なのは意味ではない。もしも、意味が重要であるならば、自分にとって幸福なイベントが自分に精神的な苦痛をもたらすはずがない。デュルケームが愚かなのは、それを意味性と絡めて難解な屁理屈をつけ、犯罪学の根拠にしたことで、もっと愚かなのはアメリカではおフランスの学問が高尚だと誤解されて、それが更に改悪されていったことにある。
そして、これらの理屈が援用されて、宗教家だのモラリストだの左派系のフェミニストだのが、『ポルノのせいで性犯罪が起こる』と主張するのだが、それらの言説に本人の妄想以外のどんな根拠があるというのだろうか? 普通の人はポルノを見ても犯罪者になりたいとは思わないし、その逆にポルノを読むことによって「自分はポルノのお陰で犯罪者にならずに済んだ」とも思わない。つまり、そういう理屈を信じている人間の頭の調子がおかしいのだ。
まあ、病識のない人達ばっかりだから仕方ないんだけどね………。
もっとも、これが警察に通報されて新聞沙汰になると、まず間違いなく双極性障害だという事件にとっての一番大きなポイントは伏せられる。警察は病院ではないし、双極性障害はほとんどの患者が20代の前半にまで発病するのが大きな特徴なので、本人も家族も病態を「性格」だと誤認しているケースが圧倒的に多いからだ。だから、事件のレポートは、「酔った勢いで女性に乱暴」ってことになるのだけれど、私の知る限り普通の酔っぱらいが女性に対して性的な関係を執拗に迫るというケースはほとんど無い。酒を飲む前から頭の調子がおかしいのだ。
そして、これはセクハラを扱った社会学関係の論文も、私の読んだ範囲内ではマスコミの報道と同様に精神病の問題を隠蔽している。ただし、こちらは私の精査が済んでいないので断言はできない。モラル・ハラスメントの加害者が「症状なき精神病者」と呼ばれているのとは対照的だが、モラル・ハラスメントの加害者も病的行動はたっぷりやっているケースが圧倒的に多いので「症状なき」といううたい文句は眉唾物である。ひょっとすると、社会学そのものが精神病の問題を隠蔽したいのかと疑いたくなるほどだ。いずれにせよ、レポートに出てくる状況と、実際に見聞した状況が違いすぎて現段階では信用に値しない。
この手の学説で一番笑ったのが、犯罪学の泰斗で『自殺論』の作者としても知られるデュルケームのアノミー論。「社会の規制や規則が緩んだ状態においては、個人が必ずしも自由になるとは限らず、かえって不安定な状況に陥ることを指す」のだが、要するに環境の変化が精神病患者にもたらす悪影響を、社会環境のせいだと誤認したものだ。
精神病にかかった人間や自閉症患者は環境の変化に即応的な対応をする能力を失っている。だから、自分にメリットがあろうかなかろうが、環境が変化すると精神状態が不安定になる。意外に知られていないことだが、結婚や昇進といった本人にとっておめでたい環境の変化があっても、精神病が発症するケースというのはけっこうある。こうしたケースで、日本人にとって一番なじみが深いのは『五月病』で、四月に就学・就職した将来有望な若者が、環境の変化に耐えられずに五月頃になると発病というパターンだ。これだって、発病のトリガーになっているのは就学や就労といった、世間的に見ておめでたい出来事なのだ。つまり、「何があったか?」という意味性が重要なのではなく、「変化があった」という時系列上の事実が重要なのだ。
何度も何度も繰り返し言ってやるが、現実で重要なのは意味ではない。もしも、意味が重要であるならば、自分にとって幸福なイベントが自分に精神的な苦痛をもたらすはずがない。デュルケームが愚かなのは、それを意味性と絡めて難解な屁理屈をつけ、犯罪学の根拠にしたことで、もっと愚かなのはアメリカではおフランスの学問が高尚だと誤解されて、それが更に改悪されていったことにある。
そして、これらの理屈が援用されて、宗教家だのモラリストだの左派系のフェミニストだのが、『ポルノのせいで性犯罪が起こる』と主張するのだが、それらの言説に本人の妄想以外のどんな根拠があるというのだろうか? 普通の人はポルノを見ても犯罪者になりたいとは思わないし、その逆にポルノを読むことによって「自分はポルノのお陰で犯罪者にならずに済んだ」とも思わない。つまり、そういう理屈を信じている人間の頭の調子がおかしいのだ。
まあ、病識のない人達ばっかりだから仕方ないんだけどね………。
0件のコメント
コメントの投稿
1件のトラックバック
[T17] 【 犯罪学 】について最新のブログの口コミをまとめると
犯罪学に関する最新ブログ、ユーチューブ、ネットショッピングからマッシュアップした口コミ情報を提供しています。
- 2007-09-26
- 発信元 : プレサーチ
- トラックバックURL
- http://toriyamazine.blog.2nt.com/tb.php/63-08dbe01e
- この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)