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規制、規制と盆や正月じゃあるまいし。

 先日は撮影後に久方ぶりのサッカー観戦。AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の浦和レッズVS城南一和戦。私は経済格差の大きなフットボールクラブ同士が対戦する、ACLをそれほど評価していないのだが、この一戦だけは別。というのも、我が浦和レッズが対戦する城南のスポンサーは、あのメッコールを作っている一和。カルト関係に詳しい人ならピンと来るだろうが、要するに統一教会系の企業だよ。

 表現規制賛成派の巣窟の一つがスポンサーになっているクラブに、我が浦和レッズが負けるなどあり得ない。というわけで、撮影が終わったその足で埼玉スタジアムに駆けつけたのだが………。

 城南つええええ。

 辛くもPKでレッズが勝利したものの、試合は城南が支配していた。いやあ、いいチームだわ。上手くて汚くて、勝負所をよく心得ている。これで一和がスポンサーじゃなきゃ、素直に感服してるね。

 で、試合が終わってヘロヘロ状態で帰宅して爆睡。朝起きたら風邪気味でぐったり。植木畑の真ん中に立っている、寒い寒い埼スタに、シャツ一枚で行ったのが祟った。ところが、よりにもよって、こんな健康状態の時に限って表現規制関係のニュースが立て続けに並ぶ。

2007.10.23 NHKニュース

 自民党の青少年問題に関する特別委員会は、インターネットの有害情報などから子どもを守るため、インターネットのサイトやゲームソフトなどを規制するための法案を、早ければ来年の通常国会に議員立法で提出することを目指す方針を確認しました。
 携帯電話やパソコンが子どもたちにも広く普及するなかで、出会い系サイトなどを通じて知り合った相手に誘われて、子どもたちが性犯罪や暴力を受ける被害が増えています。
 こうした現状を踏まえて、自民党の青少年問題に関する特別委員会の幹部が、きょう会合を開き、有害情報から子どもを守るための法案を議員立法で国会に提出することで一致しました。
 法案の内容としては、▽有害サイトを運営する業者や個人が、民間団体などからの削除の依頼に応じないケースもあることから、規制を検討するほか▽有害なゲームソフトやDVDなどに対する規制の内容や罰則が、都道府県によってばらつきがあることから、全国共通で規制を行うことを盛り込みたいとしています。
 特別委員会は、今後、法案の具体的な中身について検討を進めたうえで、早ければ来年の通常国会に議員立法で提出を目指すことにしてます。


 このニュースには実は前ふりのニュースがあって、それがこれ。

闇サイト監視強化 政府が対策 専門担当者を増員へ
2007年10月13日

 政府がまとめたインターネット上の違法・有害情報に対する集中対策の概要がわかった。自殺を幇助(ほうじょ)する事件が起きるなど社会問題化している「闇サイト」や、いじめにつながると指摘される「学校裏サイト」に対して、警察庁の監視態勢を強化し、担当省庁による相談窓口を充実させるなど、本格的な対策に乗り出す。
 集中対策をまとめたのは内閣官房の「インターネット上における違法・有害情報等に関する関係省庁連絡会議」(IT安心会議)。11月に開催するIT戦略本部に報告し、関係省庁に早急な対策を促す方針だ。
 闇サイトは、サーバーが海外にあることが多いため、国も実態を把握できていない。
 集中対策ではまず、全国の警察で専門の担当者が有害サイトを目視で探している「サイバーパトロール」を、民間からの協力も得て人員を増やすとともに、相談窓口も充実させる。また、児童や生徒が連絡に使って、いじめに発展することもある「学校裏サイト」の対策についても、法務省や文部科学省が相談機能の強化などに乗り出す。
 さらに、迷惑メール規制のための法改正案を来年の通常国会に提出。児童が「出会い系サイト」を利用することを制限するための法改正についても、今年度内に結論を出す。有害サイトの閲覧を制限する携帯電話向けのフィルタリングソフトの導入も促進する。


 まあ、これはウチのグループが今月のオフ会で話し合った内容に限りなく近く、今後の計画にはちょうど良い感じではあるが、問題は議員立法という点だ。また、児童ポルノ禁止法のように、馬鹿法律になる恐れがあるし、だから法務省が「俺たちは責任がとれないから議員立法でやってくれよ」ということになったんだろう。ろくでもない話だ。

 まあ、行政官のアイデアも、案の定民間から協力を得る(民間人ならおとり捜査をやっても違法にならないから。この流れはアメリカと同じだね)って内容だし、こっちはこっちでろくでもないんだけどさ。

 しかし、問題なのはこっちの方。

「漫画・イラストも児童ポルノ規制対象に」約9割──内閣府調査
内閣府の「有害情報に関する特別世論調査」によると、実在しない子どもに対する性行為などを描いた漫画・イラストも規制の対象とすべきという回答が合計約9割に。ネット上の「有害情報」を規制すべきという回答も約9割に上った。
2007年10月25日 22時16分 更新

 内閣府が10月25日発表した「有害情報に関する特別世論調査」によると、実在しない子どもに対する性行為などを描いた漫画・イラストも規制の対象とすべきという回答が約6割に上り、「どちらかといえば規制すべき」との合計は約9割に上った。
 現行の児童ポルノ法は漫画・イラストを規制対象にしていない。調査では58.9%が「規制の対象にすべき」とし、「どちらかといえば対象とすべき」との合計は86.5%だった。一方、「どちらかといえば対象とすべきでない」は6.6%、「対象とすべきでないは2.5%」にとどまった。「わからない」は4.5%だった。
 児童ポルノの単純所持についても、69.6%が「規制すべき」、21.3%が「どちらかといえば規制すべき」とした。
 ネット上の「有害情報」について「規制すべきである」は68.7%、「どちらかといえば規制すべきである」は22.2%と約9割に達した。
 調査は「子どもたちに悪影響を与える恐れのある情報に関する国民の意識を調査し、今後の施策の参考とする」ため、9月13~23日に全国の20歳以上の3000人に対し個別面接で実施した。


 この調査は9月に行われたものなので、安倍政権の置きみやげって話になるんだが、本当に安倍はろくでもないことしかしてないな。漫画やイラストは、児童ポルノ禁止法の対象外になったのは決定的なのに、まだ規制したがってやがる。まあ、日本の法学の主流はドイツ法学で、そのドイツじゃ表現の自由はない(ドイツ基本法の18条)から当然なんだけど、これを「戦う民主主義」と名付けた人は、良いネーミングセンスの持ち主だと思う。要するに、「戦う自由主義」じゃないってことだ。個々のドイツ人はともかく、ドイツという国家は2度も大きな戦争を起こしておいて、何も反省していないのがよく分かる。君たちは、そんなに自由が嫌いかね?

 で、この記事を読みながら、「ひょっとすると………」と思って各新聞社の記事内容をチェック。以下が記事全文。

産経新聞の記事

 内閣府は25日、「有害情報に関する特別世論調査」の結果を発表し、わいせつ画像や犯罪を誘発するような有害情報の規制がないインターネット上でも「規制すべき」と9割の人が答え、現在各都道府県の条例で規制されている雑誌やDVDなどについても、6割以上が「国として規制すべき」と回答したことがわかった。
 調査は今年9月、全国の成人男女計3000人を対象に実施し、有効回収率は58・9%。有害情報に関する今後の施策の参考にするため、今回初めて実施された。
 雑誌、DVDなどへの規制の程度については、80・8%の人が「強化すべき」と回答。子供が携帯電話を使ってインターネット上の有害情報にアクセスして被害に遭うケースが増えているが、携帯電話から有害情報を取り除くフィルタリングについては、51・2%が「知らない」と答え、「よく知っている」は19・2%に留まった。
 内閣府は「子供を有害情報から守るためには、フィルタリングが有効だが、半数以上に周知されていないことがわかった。もっとわかりやすく保護者を啓発していきたい」としている。

毎日新聞の記事

<ネット有害情報>「規制すべきだ」9割 内閣府世論調査
 内閣府は25日、「有害情報に関する特別世論調査」の結果を発表した。インターネット上のわいせつ画像や自殺・犯罪を誘発するサイトなどの有害情報について、「規制すべきだ」との回答が90.9%に上り、「規制すべきでない」は4.5%にとどまった。今年8月に犯罪仲間を募るサイトを通じて女性が殺害され、10月には自殺サイトに依頼した女性の殺人事件が発覚するなど、有害サイトが社会問題化していることを反映したとみられる。
 調査は9月に全国の20歳以上の男女3000人を対象に面接方式で行い、1767人から回答を得た。政府は7月、各省庁の担当者による「有害情報から子どもを守るための検討会」を設置しており、今後、規制に向けた法整備などの議論が加速しそうだ。
 雑誌やDVDの有害情報の規制についても、「強化すべきだ」が80.8%で、「現状程度でよい」の13.8%、「緩和すべきだ」の1%を大きく上回った。児童ポルノを個人的な趣味で所有することに対しては、「規制すべきだ」が90.8%に上り、02年8月調査から10.3ポイント増えた。
 有害情報に対する政府の取り組みに対しては「内容を知っている」との回答は27.3%にとどまった。【石川貴教】

共同通信の記事
90%が有害サイト規制賛成 内閣府の特別世論調査 [ 10月25日 19時10分 ]
 内閣府が25日発表した「有害情報に関する特別世論調査」によると、わいせつ画像を提供したり、自殺・犯罪を誘引するインターネット上の有害情報(有害サイト)の規制を求める人が90・9%に達した。規制反対は4・5%にとどまった。サイト規制法令には03年施行の出会い系サイト規制法があるが、憲法で保障された言論、表現の自由との関係で、他の有害サイトは事実上、野放し状態とされる。

読売新聞の記事

ネット有害情報「規制すべき」9割…内閣府調査
 子供に悪影響を与える恐れのあるわいせつ画像や暴力的描写などのインターネット上の有害情報について、内閣府が25日に発表した「有害情報に関する特別世論調査」で、90・9%の人が「規制すべきだ」と答えたことがわかった。
 「規制すべきでない」としたのは4・5%だけだった。
 ネット上の有害情報は事実上、通信事業者の自主規制に任されているが、圧倒的に多くの人が規制強化を求めたことになる。
 調査では、雑誌やDVDの有害情報に対する規制についても「強化すべきだ」との回答が80・8%に達し、「現状程度でよい」は13・8%だった。
 有害情報全般を「国として規制すべきだ」と答えた人は63・2%で、「各都道府県の条例で規制すべきだ」の21・8%を大きく上回った。有害情報を含む雑誌・DVD販売については、都道府県が条例などで規制しており、地域による対応のばらつきがある。
 児童ポルノについて、販売や譲渡を目的とした所持が児童買春・児童ポルノ禁止法によって禁じられているが、調査では、自分の趣味での児童ポルノ所持についても、「規制すべきだ」とする人が90・9%を占めるなど、規制強化を求める人が多かった。
 調査は9月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に面接方式で実施され、1767人が回答した。
(2007年10月25日21時1分 読売新聞)


 まあ、見てくれれば分かるとおり、産経新聞をのぞくマスコミの皆様は、フィルタリングソフトに関する言及は一切ナシ。いや、素晴らしいですな。相変わらずの情報操作ですか? 最悪なのは、毎度おなじみの共同通信。短文にすることで、意味を変えてしまうという、いつものやり口が大炸裂。さすが極左系。産経だって規制推進派の部類に入るんだけど、毎日や読売ほど悪質ではないって言う段階でトホホだよ。表現の自由は、新聞記者が嘘を書くためにあるんじゃないよ。分かってる?

 仕方がないので、さっそく、いつものメンバーと電話でやりとりして、以前から暖めておいた対抗案を実現にうつすことを決定。これは、少人数でも実行に移せるから、表現の自由で平押しする作戦は、××に担当していただこうと思う。

 他にも、表現規制関連の話題としては『バラエティーの暴力表現「遺憾」 BPOが改善促す』があるんだけど、こっちまではさすがに関わっていられない。TVの場合は、自業自得って面もあるから同情もできないしね。勝手にやってくれよ。

 規制なんて言葉は、盆と正月の時だけで十分だよ。字が違うけど。

2件のコメント

[C69] はじめまして

はじめまして

内閣府調査の記事ですが、私の家では読売を取っているので本日の朝刊紙面でその記事を確認したところ
4面の小さな記事扱いとなっておりネットでの元記事からは雑誌・DVDや児童ポルノ関連は削られネット規制のみを強調すると言う形となっていました。

よく新聞社配信記事でもネットと紙面では扱いが違うとはよく言われてるのですが、内閣府調査の記事が最終的にネットにフォーカスするあたり
ネットをどうにかして新聞の優位性を維持したいと言う新聞側の意図がとても良く現れていると思います。
  • 2007-10-26
  • 投稿者 : LKX
  • URL
  • 編集

[C70] こちらこそ、初めまして

LKX さん

 初めまして。情報、ありがとうございます。読売の誌面に関しては、ご推察の通りではないでしょうか? ネットが普及してもっともダメージを受けた紙媒体は情報誌で、新聞もそのカテゴリに含まれる存在ですから、自然とこうなっちゃうんですよね。

 私の場合は、「内閣府がフィルタリングソフトに言及してないのは変だな」と思ったのがきっかけで、各新聞のニュースを比較したんですけど、案の定でしたし。1つしかニュースソースがなければ、危うく騙されるところでした。
  • 2007-10-26
  • 投稿者 : 鳥山仁
  • URL
  • 編集

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[T21] 有害情報に関する特別世論調査

 まとめて更新その2。内閣府調査関連。 サボっているうちに事態が進行して、どう纏めるか迷ったが、結局俺が知った時系列順に。 まずは“有害サイト”規制法案 自民特別委 議員立法で提出へ - 奥村徹弁護士の見解(hp@okumura-tanaka-law.com)。 法案の内容...
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プロフィール

toriyamazine

Author:toriyamazine
東京都出身。
高校在学中にライターとしてデビュー。
以降は編集者・ライター・ゲームディレクター・実写アダルトDVDの監督、そして作家を兼任。
仕事はSMポルノ関係全般で、小説、ゲーム、実写etc、アニメーションを除くすべてのポルノ作品を平行して制作。年間発表数は約6作品前後がコンスタント。
一般作に関しては、別名義、もしくはアンカーマンとしてのみ参加中。

追記・最近になってメールで連絡が取れないという非難が多く聞かれるようになったので、仕事用のアドレスを公開しておきます。
jjnewzine★gmail.com
です。★マークを@に変えて使ってね。

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