王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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大型小売店舗規制の歴史(1)
1937年・百貨店法(昭和12年法律第76号)の成立
百貨店法は統制経済の一環として成立した法律で、百貨店の出店を国の許可制とする内容。
たとえば、
第六条 百貨店業者ハ閉店時刻以後及休業日ニ於テ営業ヲ為スコトヲ得ズ
などはその典型で、国が百貨店の営業時間や休業日の決定に関与している。
1941年・百貨店法改正
1947年・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)
いわゆる独占禁止法。
1947年・百貨店法を廃止する法律(昭和22年法律第212号)により、百貨店法が廃止される。独占禁止法によって、一元的な法管理を行うことが可能とされる。
※だが、多くの行政官は戦前の統制経済が忘れられず、1949年になると、すぐに独占禁止法を緩和。「競争よりも協調の方が合理的である」とか「日本では戦前からカルテルが容認されていた(カルテルを推奨したのは、もちろん官僚である)」など、意味不明の理由を付けて、独禁法を骨抜きにしていってしまう。
参考資料
日本労働年鑑 第27集 1955年版
第四章 合理化政策
独占禁止法の改正
木村禧八郎議員の質疑より抜粋
この法律は一部の改正と、こうなっておりますが、実は私はそうではないと思うのです。これは全面的改正であり基本的改正です。この法律によってトラスト及びカルテルが認められるのでありまして、その点においては、このいわゆる独占禁止法を骨抜きにするものだと、私はそう思うのです。云うまでもなく日本経済の民主化の基本は経済の民主化にあるわけでありまして、この経済の民主化が逆転しますれば、経済の基礎の上に立っておるところの政治も文化も教育も、そういうもの全部がこれは反民主的になるのでありまして、それで、この経済の民主化を規定しました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律は、経済の憲法とでも云うべきものであります。経済憲法なのです。この経済憲法とも云うべき法律案を改正するに当りまして、これが慎重なる考慮が要求されなければならん。私は、政府が二八年度予算の裏付けとして今回国会に提出されて来ました一連の反動立法、ストの制限法、或いは義務教育学校職員法とか、その他の反動立法の中でも、この独占禁止法のこの緩和の法律こそ一番私は民主化に逆行するものだ。一番重大なことだと思う。民主主義の一番基盤を構成するところの経済の民主化を逆転せしめるものだ。
(仁注・木村禧八郎は野党随一の財政政策通と呼ばれた人物で、左翼陣営にありながらカルテルの危険性をよく見抜いていた。ただ、通常の社会主義者は国家によるカルテル=統制経済を歓迎するので、木村の主張は左翼内部でも特異である。私的独占の禁止に力点を置いた論理構成をとっていたからだろう)
1952年・企業合理化促進法(昭和二十七年三月十四日法律第五号)
1937年・百貨店法(昭和12年法律第76号)の成立
百貨店法は統制経済の一環として成立した法律で、百貨店の出店を国の許可制とする内容。
たとえば、
第六条 百貨店業者ハ閉店時刻以後及休業日ニ於テ営業ヲ為スコトヲ得ズ
などはその典型で、国が百貨店の営業時間や休業日の決定に関与している。
1941年・百貨店法改正
1947年・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)
いわゆる独占禁止法。
1947年・百貨店法を廃止する法律(昭和22年法律第212号)により、百貨店法が廃止される。独占禁止法によって、一元的な法管理を行うことが可能とされる。
※だが、多くの行政官は戦前の統制経済が忘れられず、1949年になると、すぐに独占禁止法を緩和。「競争よりも協調の方が合理的である」とか「日本では戦前からカルテルが容認されていた(カルテルを推奨したのは、もちろん官僚である)」など、意味不明の理由を付けて、独禁法を骨抜きにしていってしまう。
参考資料
日本労働年鑑 第27集 1955年版
第四章 合理化政策
独占禁止法の改正
木村禧八郎議員の質疑より抜粋
この法律は一部の改正と、こうなっておりますが、実は私はそうではないと思うのです。これは全面的改正であり基本的改正です。この法律によってトラスト及びカルテルが認められるのでありまして、その点においては、このいわゆる独占禁止法を骨抜きにするものだと、私はそう思うのです。云うまでもなく日本経済の民主化の基本は経済の民主化にあるわけでありまして、この経済の民主化が逆転しますれば、経済の基礎の上に立っておるところの政治も文化も教育も、そういうもの全部がこれは反民主的になるのでありまして、それで、この経済の民主化を規定しました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律は、経済の憲法とでも云うべきものであります。経済憲法なのです。この経済憲法とも云うべき法律案を改正するに当りまして、これが慎重なる考慮が要求されなければならん。私は、政府が二八年度予算の裏付けとして今回国会に提出されて来ました一連の反動立法、ストの制限法、或いは義務教育学校職員法とか、その他の反動立法の中でも、この独占禁止法のこの緩和の法律こそ一番私は民主化に逆行するものだ。一番重大なことだと思う。民主主義の一番基盤を構成するところの経済の民主化を逆転せしめるものだ。
(仁注・木村禧八郎は野党随一の財政政策通と呼ばれた人物で、左翼陣営にありながらカルテルの危険性をよく見抜いていた。ただ、通常の社会主義者は国家によるカルテル=統制経済を歓迎するので、木村の主張は左翼内部でも特異である。私的独占の禁止に力点を置いた論理構成をとっていたからだろう)
1952年・企業合理化促進法(昭和二十七年三月十四日法律第五号)
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