王様を欲しがったカエル

　規制推進派寄りの団体関係者からレイプとポルノの関連性について質問されてぐったり。どうしても、レイプが起きるのはポルノのせいだという話にもっていきたいらしい。しかも、ネットカフェやマンガ喫茶でポルノが観られることも、それを助長しているという話にもっていきたいようだ。あまりにも警察発表に洗脳されすぎていて、多分、何を言ってもこっちの話を聞く気はないだろうけど、放置するのも嫌なので反論を書いた。以下がその文章。

（前略）
　まず、レイプ系ポルノ作品の実数や閲覧数ですが、基本的にアダルトビデオが一般化してから今まで、これがポルノのメインストリームになったことは１度もありません。恐らく、現在でも流通量や閲覧量において全体の２％程度のシェアしか無いと思われます（この数値は、私がアダルトＤＶＤの流通業者に話を聞いて確認をしています）。

　理由は単純で、ユーザー、特にコアユーザーの需要がまったくないからです。売れないので商業的に成り立たないため、制作者にレイプ好きがいない限り誰も作ろうとは思いません。

　まず、ポルノ関係者でないとすぐに失念することですが、マスターベーションをするだけであれば、別にアイドルのグラビアでも通販のカタログでもできます。たとえばＡＫＢ４８のアイドル写真集を見ながら「こいつら可愛い顔してるけど、本当は裏でやりまくりなんだろう！」と妄想しながらペニスをしごけば、それでマスターベーションは出来ますから。

　特にレイプが好きなタイプの人は、前述のような妄想をするケースが非常に多いんです。そうなるとですね、必要なのはレイプをされているシーンではなくて、レイプしたらダメージを受けそうな女の子のデータなんですよ。

　だから、かなり頻繁にマスターベーションに使われるのは、ネットに転がっている女の子のプライベートなデータとか、盗撮画像とか、盗んできた生徒手帳とか、携帯電話とか、下着とかなんです。そういう人達は、わざわざ高い金を出して合法的に製作されたポルノを買ったりはしないんですよ。彼らにとって、合法的に作られた作品は「偽物」だから価値なんてないんです。美味しんぼの世界みたいですよね。

　一方、ポルノに高いお金を払ってくれるユーザーさんというのは、前述のようなデータにそれほど興味がありません。何故なら、彼らが抱えている欲求というのは「女の子になってセックスをしてみたい」というものだからです。

　つまり、メインストリームのポルノ作品の消費者というのは、基本的に女性化願望があるんです。性転換手術をしたり、女装をする代わりにポルノを見て「犯される女の子の気持ちになって」マスターベーションをしているわけです。これは、ポルノの市場にダイレクトに反映されています。女性になりたいと思っている男性の割合は、２０代以降で約１０％以上、男性になりたいと思っている女性の割合は、２０代以降で約２％以下。だいたい、５倍から１０倍近い開きがあります。男性のポルノ消費者数が圧倒的に多い理由がこれで説明できます。

　実際に、編集部に電話をかけてきたり、メールを送ってくるユーザーさんの３人から２人に１人は女装経験があります。最近、私どもの編集部によく電話をかけてくるユーザーさんは、アニメのコスプレをしてお漏らしをするのが趣味です。そういう人が、女性をレイプしたいと思いますか？　むしろ逆で彼（？）は「女の子になって男に無理矢理気持ちいいこと」をされたいんですよ。

　ポルノ問題でかなり頻繁に都合よく忘れられるのが、こうした性癖、すなわち女性化願望とマゾヒズムです。ポルノ嫌いな人は、ユーザーさんの大半が「女の子になりたい」と思っていることや「自分が犯されたい」と思っている事実を決して認めようとしません。認めたら「ポルノがレイプを誘発している」という自分達の理論が崩壊してしまうからです。だから、彼らは自分達に都合のよい嘘をつきまくっています。全部デタラメです。

　最後になりますが、どうしても性犯罪とポルノに関連性を見いだしたいのであれば、プライベートな盗撮系の作品を探すことをお奨め致します。犯罪者や犯罪者予備軍が、数少ないお金を払うジャンルだからです。でも、こういうものはインターネットカフェやマンガ喫茶なんかでは流れていません。また、私のところも含めてまっとうなメーカーは、このような作品を撮ることはまずありません。売れませんから。具体的なサイトを掲載しておきますので、そこを観て既存のポルノ作品との違いを実感してください。
（後略）

　いつもいつも思うことだが、ポルノに興味がなく、調べてもいないのに、ポルノに犯罪を誘発する能力があると信じられる人達の頭の構造が信じられない。興味がなかったら、コメントは控えるのが大人の態度だと思うんだけどね。