王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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今、この瞬間も少女の姿をした神は、邪悪な笑みを浮かべながら舌なめずりを始めている。怖気だった十三は反射的に香蘭の指を振り払い、大仰に肩をすくめて会話を断ち切ろうと試みる。「も、もういい。この話は、お仕舞いにしよう」「まあ、急くな。妾も少しずつ思い出しているところだ」「な、何を?」「だから、妾が狂わせたお前の友達についてじゃ」「……矢作さんのことを、思い出したのか?」「いいや。ただ、それより少し後の...