王様を欲しがったカエル
作家・シナリオライター・編集者を兼任する鳥山仁の備忘録です。
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「ありがとうございます。それで、どうして香蘭は彼の命令で動くんですか?」 上司から冷たい水を受け取ったさくらは、軽く会釈をしてからペットボトルのキャップを開封した。彼女はボトルの底を斜めに持ち上げて、冷たい水を無造作に喉奥へと流し込んでいく。「香蘭自身も自分の判断で動くことはある。でも、彼女は基本的に十三君の命令しか受け付けない。彼はこの世界に香蘭を呼び寄せた人間の親族なんだ」「その呼び出した人は...